WordPressでWebサイト制作を依頼して失敗…よくある10のパターンと対策を徹底解説

WordPressは世界中で最も使われているCMSであり、柔軟性も拡張性も高い非常に優れたプラットフォームですが、制作会社にサイト制作を依頼した後、「思っていたのと違う」「結局使いこなせない」「高いだけで成果が出ない」といった“失敗談”が非常に多くあります。

実際に仕事でリニューアルの相談をいただいた時に、前の制作会社が作ったWordpressサイトを精査させていただくこともあるのですが、運用面やセキュリティ面、SEO面など、デザインの仕上がり以外の「目に見えない部分」の実装面に問題が多くあることが非常に多いです。多いというよりは安く済ませたほとんどのWordpressサイトに実装上の問題や欠陥が多く見られます。

今回は、実際に多い問題や、トラブルをもとに、失敗しやすい10つのパターンと対策方法をわかりやすく、要点を解説していきたいと思います。

① デザインは綺麗なのに、更新しづらくて自分達で運用ができない

見た目が整ったサイトが納品されても、いざ運用しようとすると「どこを触れば編集できるのかわからない」「画像一つ差し替えるだけで制作会社に依頼が必要」というケースが非常に多いというパターンです。
原因は、WordPressの管理画面上のエディタを使わず、PHPファイルにコードを全て直書きしてしまっている場合や複雑な独自設定で組まれてしまうことにあります。
運用者が触りやすい構造になっていなければ、サイトはすぐに更新されず放置されます。
更新できない=成果が出ないにも繋がるため、顧客満足度を下げる失敗パターンになってしまいます。

対策としては、制作前のミーティングの段階で、主に更新が頻繁になる場所を伝えて、管理画面から更新できるように実装してくださいと、担当者に伝えて、サイト設計をしてもらうことです。

きちんとした制作会社やクリエイターであれば、ブログを書くような感覚で管理画面のエディタで更新できるような形にしてもらえたり、画像アップローダーやプルダウンなど、フォーム入力で簡単に更新できるような形で実装してもらえるので、この辺りを実装前の段階で擦り合わせをしておくことをおすすめします。

② 投稿機能の設計が悪く、情報整理やコンテンツ運用ができない

WordPressは「投稿」、「固定ページ」、「カスタム投稿」という、ページを制作する際の機能があり、運用のことを考えるとこの投稿機能の使い分けが非常に重要なのですが、これが適切に設計されていないことも多いです。


例えば、

  • お知らせが固定ページで作られていて時系列に更新ができない
  • ブログカテゴリーが曖昧、投稿機能を分けるべきものが分かれていない
  • 事例ページが 一覧ページ > 詳細ページという形で更新・運用できない
  • HTMLやPHPの記述が混在していて更新しづらい

などですね。こうした状態では、情報整理が困難になり、運用者にもユーザーにも検索エンジンにも優しくないサイトが出来上がってしまいます。
投稿設計はページが膨大になった後から直そうとすると非常に高額なコストがかかるため、最初の段階で最適化されているかが重要です。

開発者しか理解できない“ブラックボックス構造”

オリジナルテーマは柔軟に作れる一方、作り方次第で“担当者だけが理解している状態”に陥ります。

  • テーマファイルのテンプレート構成が複雑
  • コメントやマニュアルなど、説明がない
  • プラグインに独自改造が施されている

これらが積み重なると、担当者が退職したり、変わった瞬間、誰もサイトを触れなくなる というトラブルが発生してしまいます。
保守不能のテーマ構造というのは、将来の改修コストを爆発的に高めるため、最も避けたい事故のひとつになります。

対策方法としては、「更新マニュアルを用意してもらう」「テーマファイル構成表を作っておく」「テーマファイル内に何の処理をするコード記述なのかコメントを書いておく」など、引き継ぎができるような資料などを用意しておいた方がより安全にサイトを運用することができます。

SEO対策が全く考慮されておらず、アクセスが増えない

デザインは良くても、SEOが考えられていないWordPressサイトは意外なほど多いです。

  • メタ情報が未設定
  • 見出しタグが未設定
  • OGP設定がされていない
  • ページスピードが極端に遅い
  • Favicon設定がされておらず、Wordpressアイコンのまま
  • 意味のないページ量産構造

などがあります。
見た目だけが良くても、基礎的なSEO対策でできておらずGoogleからの評価が低ければ 検索上位に出にくくなりますし、ユーザーから見ても非常に使いずらいサイトになっている可能性があります。
その結果、「アクセスが増えない」「問い合わせが来ない」といった本質的な成果不足を引き起こします。
制作段階からSEOの構造設計があるかどうかが重要ですので、こちらも合わせて制作前に擦り合わせや確認をしっかりとしておきましょう。

セキュリティ対策が甘く、納品後に脆弱化する

WordPressは適切に管理すれば安全ですが、制作会社側でセキュリティ設定が甘いと、脆弱になりやすいCMSでもあります。
よく前任の会社が制作したWordpressサイトで見受けられるのが、

  • 管理者ID「admin」のまま
  • ログインURLがデフォルトのまま
  • バックアップ設定なし
  • 不要なプラグインが有効化されたまま
  • WordPress本体やプラグインのアップデートをせず放置状態

こういった状態は、ブルートフォース攻撃・改ざん・マルウェア感染 のリスクを高めます。
セキュリティ対策が施されていないまま納品されるケースは非常に多く、リスクにさらされたままサイトを運用している会社が非常に多いです。
必ず基礎的なセキュリティ対策は確実にやっておくことを強くおすすめします。

⑥ 不必要な有料テーマ・サブスクを押し付けられる

一部の制作会社では、見た目の良いテーマやプラグインを用いて制作し、納品後に
「このテーマの更新は月額2,000円です」
「ライセンス更新を止めたら表示が崩れます」
と後出しで伝えられるケースもあるようです。


もちろん有料テーマにはメリットもありますが、クライアントがメリットを理解していないのにコストだけ発生するのは問題です。
必要以上のサブスク課金は、運用費を押し上げ、長期的に見て大きな負担になりますので、こちらも本当に必要なものかどうか見極めが必要です。

対策としては、制作前に、運用段階でこのような費用が発生するかどうかをしっかり確認しておくことが大切です。

⑦ TOPページだけ豪華で、下層ページがスカスカ

「TOPだけ立派」「下層はテンプレで文字だけ」という構造は意外と多いです。
特に成果を左右するのは、

  • サービスページ
  • 実績ページ
  • FAQ
  • 料金表
    などの下層ページですが、ここが弱いと 問い合わせ率が大きく落ちます
    見た目の華やかさだけでなく、下層の情報設計こそがコンバージョンに直結するため、制作会社選びで最もチェックすべきポイントです。

⑧ スマホ最適化が甘く、ユーザーが離脱する

スマホで見ると、

  • 文字が極端に小さい
  • ボタン位置が押しづらい
  • レイアウトが崩れている
    といったケースはとても多いです。
    特に飲食、美容、士業などはアクセスの8割以上がスマホのため、スマホ最適化が弱いと 集客効果はほぼゼロ になります。
    「PCで完璧でもスマホが微妙」というのは、制作事故の典型例です。

⑨ 納品後のサポートがなく、結局何もできない

納品後に、

  • マニュアルがない
  • サイトの触り方がわからない
  • 更新依頼をすると毎回高額
    という状態に陥るケースも多いです。
    サイトは「作って終わり」ではなく、「育てて初めて成果が出る」ものですが、サポートが無いと運用が止まり、結局作り直しになることもあります。
    長期伴走型の制作会社であるかは非常に重要なポイントです。

⑩ WordPressが必要ない案件なのにWordPressで制作される

本当は、

  • LP1枚で十分
  • 月1回しか更新しない
  • ブログ運用しない
    といったケースでも、汎用的だからという理由だけでWordPressが選ばれることがあります。
    しかし、WordPressはサーバー管理やメンテナンスが必須で、不要な場合は単純にコストだけ増やすことに。
    目的に合わないCMS選定は、運用コストのムダに直結します。

まとめ: WordPress制作の失敗の本質は“運用視点の欠如”にある

多くの失敗例に共通するのは、
「作る側の都合でサイトが設計され、運用者視点が欠けている」
という点です。

WordPressは正しく設計すれば非常に強力なCMSですが、誤った作り方をされると、成果が出ずコストばかりかかる「負債」になることもあります。